2016年5月21日土曜日

LMTOKYO2016勉強会
【議会図書室改革連続ワークショップ 第2回】



昨日、以下の勉強会に参加してきましたのでメモです。額はともかくとして、有料のイベントだったので、なるべく参考情報と自分の頭の中のことだけにしてみました。参加されてない方には理解不能かもしれませんがすみません。




目次



開会挨拶

最初に議員連盟の事務総長である川名ゆうじ武蔵野市議からの挨拶がありました。いわく、図書館や図書室に対するイメージは人によってばらばらなため、そもそも「図書館自体が何をするところなのか?」について学ぶための勉強会とのこと。

あいさつの中では議会図書室の根拠法として、地方自治法の第百条を紹介されていました。それ自体はまぁ、そうなのか、というような話なのですが、議会議事録をあわせて紹介されていたのが良かったです。条文のまわりにある情報を一緒に紹介することで、呑み込みやすさがぐっと違ってくるものなんですね。

19  議会は、議員の調査研究に資するため、図書室を附置し前二項の規定により送付を受けた官報、公報及び刊行物を保管して置かなければならない。

20  前項の図書室は、一般にこれを利用させることができる。

地方自治法

ちなみに、以下が国会会議録での記載です。時の内務大臣、木村小左衞門氏の発言だそうです。

次に地方公共團體の意思機關であるにかかわらず、從來とかく閑却されがちであつた地方議會の積極的活動と圓滑な運營を期することは、新しい地方自治の健全な發展を期する上において特に必要でありますので、この點に關し、地方自治法の規定をさらに補足する必要があると存ぜられるのであります。今後地方議會の議員は、條例の制定等について、積極的活動を行うことがいよいよ多くなつてくるであろうと豫想されますので、そのための調査研究を行い議員としての識見を養うことは、議員として當然の責務であります。また議會と執行機關との關係におきまして、殊に多くの問題を捲き起すものは、豫算の議決に關する事項であります。よつて政府は、地方議會に對し、官報及び政府の刊行物を地方公共團體の議會に送付し、圖書室を必ず設置しなければならないこととしました。

衆議院会議録情報 第001回国会 治安及び地方制度委員会 第24号

議会図書館の問題と可能性~議会改革度調査・議会図書室調査より~
(早稲田大学マニフェスト研究所次席研究員 中村健)

続いて中村氏から「議会改革調査・議会図書室調査」の結果を踏まえたうえでの議会図書室改善の提案がありました。この調査について詳しい説明はなかったのですが、どうやら同研究所が実施されている調査のようです。対象は「当研究所がメールアドレスを把握している1661議会」とのことですが、きっとFAXのほうが届きやすかったりするんでしょうね。(どうでもいいですが)

内容としては、人手・お金・スペースの不足といった課題や、「だれも使わないのでは?」という意見についての反論が中心で、結論として①予算の見直し、②外部ネットワーク構築、③データベースの活用、④図書室に愛称をつける、⑤ホワイトボードの活用(魅力のある場づくり)などをあげてらっしゃいました。

議会図書室のみならず、学校図書館、自治体図書館、専門図書館など小規模の図書館全般で聞こえてきそうなお話でしたが、ユーザ側?からの意見という点が興味深いですね。また、議会図書室を「デジタル図書館にする」「町中に作る」など、組織としてというよりは、機能として議会図書室を見てらっしゃるようなところもユーザ視点といえるかもしれませんね。このあたり、議会図書室の「中の人」はどう考えられたのか伺ってみたいところです。



まちの課題解決策が議会図書室にありますか?
~議会改革に議会図書室の充実は不可欠~
(山梨学院大学教授 江藤俊昭)

続いて、行政学、地方自治論の研究者である江藤教授。議会図書室の機能について、議会事務局も視野に入れての発表がありました。お話では議会事務局の方が主語になることが多かったですが、そもそも議会や議会改革の話があり、そこから方法を考えていった結果、議会図書室に行き着いたという経緯を考えると至極まっとうなんでしょうね。「図書館」を冠したイベントだと逆になることが多いので、ちょっと新鮮でした。

議会の中で総務や議事を担ってきた従来の事務局に対し「議会を支援する新たな役割」「二元的代表制を作動させる議会事務局」(=議会と住民をつなぎ、情報収集と調整を行う)という提案は、「図書館らしい」仕事に終始し、建物の内だけをフィールドと見がちな各種図書館についても同じことが言えそうです。



まちづくりのために図書館ができること
(図書館総合研究所 佐藤達生)

図書館総合研究所は「図書館をさまざまな面からサポートする図書館専門のコンサルティング会社」(図書館総合研究所ウェブサイト)とのことで、おそらく議会図書室の連携先ということでこの場にいらっしゃったようです。

発表の内容は同社の裏話的なあれこれと、同社&関連企業による事業の紹介でした。前後の話の流れから離れてなぜ指定管理者の事業紹介?と思わないではなかったですが、これはこれで興味深く拝聴いたしました。(お話の内容は大体以下のリンクのような感じです。)



図書館司書に学ぶ調査術
(国立国会図書館 塚田洋)

最後に、国会図書館の塚田課長から。内容は一言で言ってしまえば「図書館は議会/議員の役に立つんだよ!」ということなのですが、そこまでの組み立て方が秀逸でした。

県議会の議事録、自治体図書館の実施している政策立案支援事業(大阪府立図書館のP-support)の紹介や、自らが過去に議会関係者に対して実施した研修会の成果など具体的な情報・事例を組み立てての「議会図書室不要論」への反論は説得力に富んでいました。また、議会関係者の大きな関心事である「一般質問」について、その類型化→そこから導かれる失敗のパターン→成功に導く3つの情報→それらの情報を探すためのツール紹介と、きれいにつながっていく話の展開はお手本のようでした。

ツール紹介についても、漫然と所属機関が運営するものを紹介するのではなく、あくまで使う側の場面を想定しての選択と説明がなされていました。もともと参加者の士気は高そうではありましたが、ツールを紹介するごとに聴衆からどよめきなど確かなリアクションがあり、図書館や司書に対する評価が高まっていることがうかがえました。(中にはすぐ後の休憩時間にさっそく所属議会?に問い合わせている方も。)



質疑・ディスカッション

意外と時間がなかったのか、質疑・ディスカッションは自分のメモもあまり残ってません。頭に良くに残っているのは塚田氏の発言で「公開情報の網羅的収集という点が図書館の強みで、これは政策形成の中では一番上流。情報の種類や各担当者の得手不得手を使い分けてほしい」という内容でした。

こういう話になると「調査は図書館司書がー」「いや現場の行政職員の方がー」みたいな話に陥りがちですが、実際には非公開文書も扱うアーカイブズ機関や市民への情報提供を担う情報公開セクションなど、いろいろなプレイヤーが存在します。議会図書室に資源を投入することも大事だとは思いますが、投入した資源が効果を発揮できるような関係部署の調整、枠組み作りもあわせてぜひ期待したいところです。

この点、そういえば、ちょっと前に博物館と図書館のレファレンスの違いをまとめたTogetterまとめ博物館学芸員への質問と図書館司書のレファレンスをめぐるあれこれ。にて以下のようなツイートがありました。



レファ協は今でこそ博物館は参加していませんが、複数の自治体図書館はもちろん、同じ自治体の中でも京都府のように図書館、資料館、そして学校図書館が参加するなど組織間と部署間を同時にクロスオーバーする珍しい場かと思います。そのような場や関係を増やしてゆくのが回りまわっていろいろなところでじわじわ効いてくるのかもしれませんね。

今回のLMTOKYO勉強もその一つだと思いますし、せっかくしばらくは東京にいるということで、いろいろなところへ顔を出させてもらおうと思います。



#会場でお見かけした方がさっそくブログを書いてらっしゃったのでご紹介しておきます。行政資料室、公文書管理にも触れられている方もいらっしゃいますね。

       

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