2017年10月16日月曜日

図書館のイベントなどに使えそうなデジコレ資料②

少し前に同名の記事を書いてからはや数か月、そういえばぜんぜん続いてなかったです。別件で抱えていたことがひと段落したので、続編を書いてみます。どれも思いついたはいいが怠け者の自分には実施に至らずというものなので、実行力にあふれている方はぜひお試しくださいませ。


団扇絵




前回ブックカバーを紹介したところですが、同じく紙もののグッズで有名なものといえば団扇ですね。錦絵のジャンルのひとつとして団扇絵というものがあり、これはもちろん実用として使用されるほか、観賞用としても用いられたとか。



団扇絵なら当然団扇になるはず、ということで手作り団扇キットを使って作ってみました。世の中便利なもので、プリンタで打ち出して団扇に張り付ければすぐに団扇になります。(キットを使わず普通の紙に印刷して既存の団扇に糊で貼り付ける、という手もあり。)



…と思いきや、実は団扇絵の形と現在の一般的なそれはなかなか違っており、形を合わせるのに一苦労。



結局、団扇絵の結構な部分を印刷から落とすことで形を整えました。団扇絵だからって団扇にしやすいわけじゃないんだと思い知りましたでござる。(というか、むしろ普通の錦絵のほうが形を合わせるのが簡単…!?)



前回
紹介の清親畫帖より「日本橋夜

使い道としては、以下のようなもうちょっと安価なキット(ないし通常の厚紙)で割と安価に作れるものをイベント等の配布用にするほか、講演会や展示会のイベントの際に関連する錦絵を加工して作成、宣伝に使っても面白いかもしれませんね。もしくは、タイトルからはちょっと外れますが、夏の間の節電と猛暑の板挟みの解として「団扇の貸し出し」ということも残念ながらあるかもしれません…。



なお、「版種」に団扇絵である旨が記載されている東京都立中央図書館のTOKYOアーカイブとは異なり、デジコレではそうした情報がなかったのでいろいろな情報源を参照しながら版元や請求記号、作者名などからちょこちょこ集めてみました。以下、気に入ったものなどいくつか画像を貼り付けておきます。




国貞 画. [会席の図]. [江戸後期]より「田中庵











その他の団扇絵(※網羅してません)


                                                   


関連情報



ちなみに、上記のいくつもの団扇絵の版元である伊場仙さんは現在も日本橋で絶賛営業中。お店が入っている伊場仙ビルは中央区のまちかど展示館にもなっており、夏にお邪魔した際には伊場仙版初代豊国筆団扇絵「今様十二ヶ月」復刻版が展示されていました。


現在の伊場仙さん(この日はお休み)



いろいろまとめたやつ




団扇絵のところで「別に団扇絵じゃなくても加工すれば団扇にできるんじゃ」などと書きましたが、実際その通り。錦絵は一枚絵としてはもちろん、人物や生き物、道具などうまく切り取ればいろいろな用途に使えます。場合によっては江戸時代や古典に関するイベントの宣伝時に「っぽさ」を出すためのイメージ素材や背景として使用することも少なくないかと思います。(例えば、中村座のウェブサイト

そんな時に重宝するのが「浮世絵とかがまとめられたやつ」です。「絵集」とか「画帖」とかタイトルになっていますが、一般的になんというかはよくわかりません。一応、原本の書誌データ、並びにデジタル化したデータの両方にも各作品のメタデータは記載されていないことはないのですが、微妙な探しにくさもあって、一種宝探しのような楽しさを感じてしまいます。

とはいえ、楽しいだけでもなく。実際、「古代江戸繪集」は200コマ以上の作品を収録した便利(?)な浮世絵集として、編集素材としても利用されています。上記の資料もコラムサイトのスーモジャーナルの記事「お江戸の桜の名所だった!? 遊郭の吉原に桜が咲いた理由」やヒトサラマガジンの「浅草馬道、土手の【中江】で桜肉の馬力を試す/お江戸グルマンディーズ 一話」で使用されています。「古代江戸繪集」以外にも、役者絵や相撲絵など各種の主題ごとにまとめられたものがありますので、相撲チョコレート相撲錦絵をパッケージに使用した日本酒など主題に沿った需要からも便利そうです。



古代江戸繪集より「新吉原江戸町二丁目 佐野槌屋内黛□□之圖」(3コマ分を結合。「お江戸の桜の名所だった!? 遊郭の吉原に桜が咲いた理由」で紹介)


 

古代江戸繪集より「當世美人揃」「當世美人揃」(ヒトサラマガジンの「浅草馬道、土手の【中江】で桜肉の馬力を試す」で紹介)

ちなみに「古代江戸繪集」では以下のようなツイートもありました。(上述資料のうち「雪梅窓の若狭理」)国会図書館に所蔵されるまでにどのような経歴を歩んできたのか、こうしたところに思いをはせるのも面白いですね。





いろいろまとめたやつ(※網羅してません)



一般的なもの

役者もの

主題別

作者別



2017年5月31日水曜日

図書館のイベントなどに使えそうなデジコレ資料①



昨日、ウェブを見ていたら「第48回図書館活用講座 講演「『非水創作図案集』と広告デザイン」とワークショップ」という京都府立図書館のイベントを見かけました。興味を引いたのは次の一文。


講演会の後、国立国会図書館デジタルコレクションを活用し、講演テーマと関連するデザインのブックカバーをパソコンで作成します。パソコン持ち込み歓迎。

第48回図書館活用講座 講演「『非水創作図案集』と広告デザイン」とワークショップ


そういえば、以前に某所にて同じようなことを考えたことがあったなぁ、そして没られたなぁ。ということを思い出しました。物事は思いつくよりも実行することのほうが難しいことも少なくなく、そういう意味では中の人はきっとえらい頑張ったんだろうなぁと思います。京都のみなさんに敬意を表して、というわけではないのですが、せっかく思い出したので、その時に見つけた資料などを紹介しようと思います。もし、気になる資料があれば活用してみてください。



清親畫帖


みんな大好き小林清親。「光線画」で知られる明治の浮世絵師、小林清親の画を集めた資料です。説明はWikipediaさんなどにお任せしておいて、とりあえず作品を見ていただきたい。初めて見たときは「これが浮世絵か」と驚いたものです。極彩色の派手なものではないですし、白黒や単色にしても映えそうでしたので、ブックカバーにするならこれ!と思って大事に記憶しといたまま今に至ります…。





小林清親なデジコレ資料(※網羅してません)



絵画の手本シリーズ@宇崎スミカズ



「大阪の夢二」といわれた画家、宇崎純一ことスミカズ氏のイラスト集です。程よく力の抜けたかわいいイラストがぎっしり詰まっており、見てるだけでも楽しいですが、著作権の保護期間が満了しているということでこのブログでもちょこちょこと(必然はないけど好きという理由だけで)掲載させていただいています。

この資料、イラストを散らしたブックカバーなんて作ったらたいそうかわいいこと必至ですが、時間を作って一番やりたいのはスタンプづくり。カシオから出ているポムリエを使えば、デジタルデータを使って簡単にスタンプが作れます。使い道も使うあてもないですが、この白黒の画像の感じがいかにもスタンプと合いそうです。スミカズ氏は大阪で活躍ということで、大阪市か堺市の図書館さんや博物館さんが何かしら楽しいことをしてくださらないかしらん。


右上は奥さんが働いていたという道頓堀のカッフェー「旗のバー」
スミカズ 著. 新絵画ノ手本. 石橋由太郎, 大正3年




ただ紙に印刷して巻いただけでいい感じ。


スタンプにすると映える。楽しい。

なんとなく興が乗ってきたので記事を中断して、ちょっと手を動かしてみました。ブックカバーはただ印刷しただけでもなんだかいい感じだし、スタンプに至ってはちょっと驚くくらい雰囲気が合います。白黒というシンプルなイラストならではなのだとは思うけれど、この調子だと北斎漫画や鳥獣戯画をはじめとした近代以前のいろいろな画像もきっと楽しそうですね。(ポムリエはそんなに高いものではないので、ぜひお試しを!)

スミカズ関係の情報



引札見本帖



今回の記事の最後は引札です。昔の広告媒体として知られている引札ですが、デジコレにはその見本帖が収録されています。見本帳ですのでお店の宣伝が書き込まれる欄は空欄になっており、したがって自分でいろいろと遊ぶ余地が出てきます。

実際、引札はカラフルで見て楽しい、また空欄を活用すればいろいろ使えるということで、割といろいろなところで活用例を見かける素材です。例えば、凸版印刷さんの印刷博物館ではメモ帳やシールなどいろいろな商品を販売していますし、企画展そのものの題材としてはもちろん、関係ない話題の企画展のキービジュアルとしてチラシ等に、また広報誌の表紙などにもたびたび使用されています。また、大阪府のおおさかアーカイブス(大阪府文化資産デジタルアーカイブ)が実施していたコンテストでは引札を使用したペーパーランチョンマットが賞を獲得していました。











デジコレ収録の引札見本帳(※網羅してません)

まずは3点ほど紹介してみましたが、まだまだ続きます!