BNEscolar@スペイン国立図書館のご紹介

BNEscolarのトップページ

BNEラボとゆかいなプロジェクト

先日、カレントアウェアネス・ポータルでスペイン国立図書館のデジタル化資料活用プロジェクトChefBNE(2017年11月~2018年2月)について記事を書きましたが、その後、同館は2019年2月にCOMUNIDAD BNEというクラウドソーシングのためのプラットフォームを開設、先月20日にはBNEscholarのリリースを発表しました。


これらはすべて同館のBNElabという事業の枠に含まれるプロジェクトで、2019年7月現在、BNElabのページには以下の6つのプロジェクトの名前があります。(西語/あるものは英語タイトル。リンク先は西語の説明ページですが、英語に切り替え可能。)最近のプロジェクト3つには名前にBNE(Biblioteca Nacional de España=スペイン国立図書館)とついているところ、統一感があっていいですね。
次々に新たなプロジェクトがリリースされており、うっかりしてると置いてきぼりになりそうなため、お勉強がてら各プロジェクトの概要をここに書いておきます。今回は一番新しい以下のプロジェクト。

BNEscolar


リリースされたばかりのプロジェクトです。教育や学校での学びにおいて図書館の資源の存在や利用のプロモーションをするのが目的とのこと。
説明については英語でも掲載されているのでそちらを読んでいただくとして、平たく言えば同館のコレクションを教育現場で活用するためのプラットフォームです。このプラットフォームを通じてBNEのコレクションを活用した教育コンテンツを発見/利用/作成/共有してね、ということのようです。
トップページにあるものは①検索窓、②Secuencias didácticas / Didactic sequences、③Desafíos interactivos / Interactive challenges、④動画、そして⑤Talleres / Workshop、⑥サインアップのリンクがあります。上部には表示言語の選択項目(スペイン語、英語、カタロニア語、ガリシア語、そしてバスク語)が用意されているところ、教育目的で作ってるという感じがしますね。

検索窓

詳細検索ページ(英語版)。左カラムで教育レベルを指定できる。

おそらく同館のデジタルコレクションの収録コンテンツを検索しているのだと思いますが、記載がないので対象範囲がよくわかりません。詳細検索では対象学年から検索できたり、検索結果からはデジタルコレクションのコンテンツやメタデータのページへ移動するほか、SCORM形式でダウンロードできます。
SCORMというのはSharable Content Object Reference Modelの略称で、eラーニングのプラットフォーム(LMS)とコンテンツの間のインターフェースやデータ形式を規定した標準規格だそうです。(SCORM(Sharable Content Object Reference Model) | 日本イーラーニングコンソシアムより)
この記事を書いている段階では私には正直ピンと来ていませんが、SCORMという教育システムに入れ込みやすいフォーマットで教育向け資源を配布している、ということなんでしょう。

Secuencias didácticas / Didactic sequences

なんと訳したものかわかりませんが、要はコンテンツと指導要領をパッケージにしたものでしょうか。「出版をめぐるタイムトラベル」「黄金世紀の演劇」「カルペ・ディエム:日常の中の詩」など現在、10のコンテンツが掲載されています。


Desafíos interactivos / Interactive challenges

こちらはゲーム、なのかな?今のところ、「逃亡ゲーム:展覧会の絵」「質問ゲーム:BNEのアプリ」と題する2つのコンテンツがありました。
前者を選択するとテレビゲームのような画面がブラウザ上で開き、ゲームが開始されます(アドベンチャーゲームのようなノリ?)後者はBNEscolarのアプリへのリンクになっています。

動画


こちらは動画。「スペイン独立戦争」「交通手段の革命」「スペインかぜ」「地球から月へ」と題したYoutubeの動画がテキストと参照資料へのリンクと一緒に公開されています。上に埋め込んであるのはスペインかぜの動画です。


Talleres / Workshop

一番下にはtalleres/workshopの紹介が。日本語でいう「ワークショップ」というよりは作業場・遠隔教材といったほうが正しいようで、以下の3つのコンテンツが掲載されていました。内容については以下の通り。(英語の紹介文を引用)
個人的には3つ目なんかとても興味をそそられますが、一般的には正直、こうしたコンテンツにどのくらいの需要が、という気も…。

Mi BNEscolar / My BNEscolar

最後にアカウント登録と登録利用者の機能。個人登録してログインをしてみるとマイページを開けます。(私はGoogleアカウントを利用してログイン)内容は①お気に入り、②閲覧履歴、③コレクション、④Labygramの4つ。
④のLabygramというのはBNEではなく民間のウェブサービスらしく、コンテンツをマッピングしたりコレクションを作ったり情報を追加したりするサービスの模様。(界隈で有名?)上記に記載したコンテンツ( secuencias didácticas / didactic sequencesやtaller / workshopなど)がプロジェクトとして登録されており、これらについていろいろなファイルや情報を付記できます。
なんとかサーチのアレと雰囲気が似てますが、もうちょっとリッチな感じがします。(役に立つ/使いやすいかどうかは別)

その他

まだよく読んでないので詳細な関係は分からないのですが、とある記事によるとBNEscholarというプロジェクト自体は以前からあったもののようですね。2013年付の記事にも同名の事業についての記載があり、これによると8500件もの教育向けコンテンツをLODで公開する、といった事業だったようです。

BNEscolarについてはひとまずこんなとこでしょうか。次回は何にしようかしらん。

コメント